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コラム

最近の裁判例

作成日:2016年02月20日(土)

平成27年8月27日福岡高判

 

 

建物所有目的ではない土地に、借地借家法の適用と同等の保護が与えられた事案。

 

 

 

 

 

ざっくり言うと、以下のような事案です。

 

A土地はカラオケ店舗の建物所有目的、B土地はカラオケ店舗の駐車場として賃貸借契約が成立。A土地は建物所有目的だから借地借家法の適用ありですが、B土地は建物所有目的ではありません。

今回の裁判例は、形式的には建物所有目的ではなく借地借家法の適用を受けないB土地の賃貸借について、結論として借地借家法の適用があるのと同等の保護を与えたものです。

 

 

価値判断として、契約の実態を考慮した正しい裁判所の判断だと思います。

 

 

カラオケ店の客の多くが自動車を利用して来店していること、契約締結の経緯、B土地の契約書のタイトルがカラオケ店舗駐車場となっていたこと、B土地の契約内容はカラオケの駐車場のみの利用となっていたこと等から、A土地とB土地の賃貸借が一体であったと評価されたようです。

 

 

しかし、借地借家法は非常に強力な法律で、土地を貸す側としては建物所有目的か否かは神経質になるところです。

 

 

地主側は、想定していなかった借地借家法の適用がされ得ることがあるという点で、契約締結段階でより慎重なリーガルチェックが必要になります。両方の土地について、関連性があると思われるような記載は避け、別々の契約であることを明確にしておくことが重要になってきます。

 

 

借り手側は、契約締結の実態について、両者の土地の賃貸借一体であると後から判断されやすいような契約内容であることを明確にしておくことや、契約締結の経緯などの証拠を残しておくということが重要になります。